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「こいつは許せない!」とタレントを叩く人たち。アメリカの差別主義者も同じ思考だと気づかない? [社会政治]

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「こいつは許せない!」とタレントを叩く人たち。アメリカの差別主義者も同じ思考だと気づかない?

タレントの失言。寄ってたかってバッシング。「番組から降ろせ」「テレビに出るな」「許せない」「二度と番組見ない」確かにタレントの発言はよくない。が、それで迷惑した人は何人いるのか?当事者が批判するなら分かるが、関係のない人。番組を見ていない人まで批判している。聞きかじったことで「それは酷い!」とバッシングに参加。田舎の噂話と似ている。「越してきたあの人。前科者だって!」と何の根拠もないの噂が広がり、村八分。脅された訳でもない。本人にも訊いていない。でも、村中で陰口。

ネット時代になっても日本人は似たようなことをしている。都会では隣近所の交流は薄い。だから、村の噂話のようなことは少ない。それがネットの世界では生きている。例に挙げたタレントの話は実際に失言があった。が、根拠のない噂でバッシングする人たちも多い。そのために仕事をなくしたタレントもいる。韓国では自殺したアイドルまでいる。いや、日本でも同じ事件があった。なぜ、人は自分が被害を受けたわけでもないのに、批判したり、ありもしないことを言い触れ回ったりするのか?

現在、話題の本「人はなぜ、他人を許せないのか?」中野信子著。先に紹介したが、そこで指摘された「正義中毒」それが答えだと思える。「正義は我にあり!」とタレントや政治家、個人を叩くことで、脳内でドーパミンが出ていい気持ちになる。それが中毒となり、ターゲットを探しバッシングする。何ら被害を受けてもいない。関係性もない。ただ、法律、常識、自分の価値観、グループ内のルール。そんなものからはみ出すと叩く。「我に正義あり!」

本では指摘していないが、その行為は日頃の不満を特定の相手にぶつけているだけだと思える。学校のいじめと同じ。勉強、成績、校則、うるさい親、教師、そんなストレスやプレッシャーをクラスの弱い者にぶつける。背が低い、少し変わっている、オタク、髪が縮れている、何でもいい、マジョリティと違う何かを見つけ、いちゃもんをつけて批判、攻撃。それがいじめ。ネットで行われていることと同じだ。

家庭内DVも同じ構図だと思える。親たちが持つ価値観。それを子供に押し付ける。親は子供たちの価値観は尊重しない。「子供だから分かっていない。正しいルールを教えるのが親の責務」とこちらも「正義」を感じて批判、注意、叱責する。それが暴力に発展することもある。親の中では「しつけ」という認識。「正しいことをしている」という思いが暴力をも肯定してしまう。

これらは全て自分の持つ価値観やルール。常識を当てはめ、そこからはみ出したら批判する。叩く。「正義は我にあり」と思い込む。しかし、それらの多くは狭い小さな世界のルールであり価値観。決して「正義」ではない。それに気づかず、我が子だけでなく、友人でも、知人でも、同僚でも、近所の人にも押し付けようとする。

アメリカの黒人差別。「黒人は嫌いだ!」「アメリカから出て行け!」これも同じ。自分たち白人が優秀な民族であると言う認識。それを暴力や差別で守ろうとしている。興味深いのはタレントを執拗にツイッターで叩く人が、アメリカの黒人差別を批判していた。やっていることは極めて近いのだが、気づかない。「黒人差別はいけないことだけど、あのタレントは叩かれても仕方のないことをしたんだ!許してはいけない」アメリカの差別主義者も同じようなことを言っている。「黒人は許せない。野放しにしてはいけない」

沖縄戦を取材していて、そんな差別感情。「正義のルール」まで軍隊は利用していたことを知る。単なる歴史の勉強ではない。今週末から東京で公開。「ドキュメンタリー沖縄戦」も見て欲しい。


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