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シナリオを書くということ。ロデムも、ポセイドンもいない? [映画業界物語]

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シナリオを書くということ。ロデムも、ポセイドンもいない?

物語を作る。というのはどういう作業なのか? 監督業というのは、クリエティブだけではなく、リーダー、指揮官の資質が必要だ。スタッフ、キャストを率いて期日内、予算内で映画を撮り上げるという使命が大きい。ただ、それぞれのエキスパートがいてくれるので、助けられる。極端に言えば、あれこれ知らなくても出来る部分がある。

対して、シナリオライターは物語の題材を把握していないと出来ない仕事だ。だから、彼らはいろんなことを本当によく知っている。仲間をまとめ引っ張るリーダー的資質はいらない。その知識や情報を駆使してそこから物語を作り出す力が要求される。

どちらも大変な仕事だ。僕は両方やるが、それぞれにそこそこ。でも、両方足してどうにか得点を稼ぐタイプなのだろう。ただ、どちらが大変かというと現場以上にシナリオが大変。先にも書いた通り、現場には優秀なカメラマンがいるし、助監督が助けてくれるし、照明や録音、美術とエキスパートがいてくれる。まあ、バビル2世のようなもの。ロデム、ロプロス、ポセイドンが付いているのだ。

が、シナリオはそうはいかない。知らないものは描けない。伊丹十三監督は「マルサの女」では徹底して国税庁を取材している。それがあの映画の魅力になっている。題材となる組織、人、存在を徹底して把握。その背景となる時代を理解。その上で、物語を考え出す。すでに事件があるなら、それをどんな視点で、どのように解釈し、描くか?を考える。その独自性、オリジナリティが大事。

時代の価値観というのもある。昔なら時代劇のような「悪代官と哀れな百姓」の構図でよかった。が、多種多様の現代ではそれが通用しない。被害者ビジネスのようなものがある。今の時代、被害者が強いのだ。あえて被害者の振りをして利益を得る人たちもいる。

愛だ。平和だ。という奴に限って胡散臭い。「世界の警察」と言っていたアメリカはマッチポンプの戦争屋だった。「集団的自衛権」はより積極的な平和外交と言い強行採決した。イラク兵が赤ちゃんを殺したと証言したのはイラクに行ったこともないアメリカ生まれの少女だった。まさに悪代官タイプのトランプが実は戦争屋と戦っているのが現代なのだ。

そんな中で、その物語を通し、何を伝えるか? それこそがシナリオの醍醐味であり意味なのだ。脚本家はそれを書く仕事なのである。


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