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物語ってどんな風にして作るのだろう? [映画業界物語]

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物語ってどんな風にして作るのだろう?

と考えたことあるかな? 多分、こんな風だと思うだろう。脚本家が机に向かい考える「主人公は型破りな刑事。警視庁の特命課。1匹狼で圧力に屈せずに捜査する。敵は麻薬のシンジゲート、政界をも沈黙させるコネクションを持つ」とかなんとか。ま、それが刑事ものであれ、恋愛ものであれ、脚本家を目指す人たちはそんな風にシナリオを書くことが多い。僕もそんな1人だった。が、それでは人を感動させたり、ドキドキさせたりはできないことに気づいた。

不思議なもので、一般の人でも嘘は見抜く。想像だけで書いた物語。警察機構を知らない人が書いた刑事ものは、どこか胡散臭く感じるのだ。「よく分からないけど、リアリティないなあ〜」と。しっかりと調べて書くと、警察のことを知らない人でも「なんかリアルだなあ〜」と感じる。だから、どこかの国の総理の答弁。多くの人が「本気で思ってないだろう?」と思ってしまう。具体的にどこが違うとは言えなくても胡散臭い。もちろん、コロッと騙される人もいるが、その種の力がない人たち。少数派だ。

では、観客を納得させる物語はどんな風に作ればいいのか? 小説でも、シナリオでも、漫画でもよく言われるのが、「自分の体験を書け」ということ。つまり、自分が知っていることを書く。そうすれば説得力が出る。クラブ活動でも、恋愛でも、家族でも、友達でもいい。そんな話をドラマにする。が、難点が人生にはなかなかドラマティックなことがないこと。学生生活も平凡。家族も普通。父が警視庁の刑事だという人も少ない。だとしても父の職場は見ていない。命を賭けた恋もしていない。

でも、よくよく見つめて行けば、必ずドラマになる題材はある。派手な映画のようなネタを探すから見つからない。それを見つけられるか?も資質を問われる部分。漫画家の友人に聞いたが、彼らの世界も同じで、子供時代から漫画はよく読んでいる。絵もうまい。でも、そんなことばかりしてきたので何の経験もなく、物語が作れない。描かせるとどこかで読んだ有名漫画の作品風の作品になる。自分にオリジナリティがない。経験がないから借り物になるのだ。

僕も学生映画をやっていた頃。友人たちが作る多くが「太陽にほえろ」風ドラマ。「インディジョーンズ」風冒険もの。ジャッキーチェン風クンフードラマのようなものが多く、プロを目指すというより「太陽にほえろ」ごっこ。「インディ」ごっこという感じだった。が、彼らも映画が好きなだけ。「スピルバーグのような映画を撮りたい」という思いが先行。自分の体験は何もない。真面目に勉強し、大学に入り、映画研究部で8ミリ映画を撮っているだけ。僕もそんな1人だった。

「男一匹ガキ大将」の本宮ひろ志さんは、河原で木刀を持って喧嘩するような子供時代を送っていた。その経験を生かしてあの漫画を描いた。水島新司さんは野球好き。だから、野球漫画を描く。何か経験や人に負けない詳しいものがあることが大事なのだ。そんな経験を元に物語を作り。表現力が付いてきたら、次は調べて書く。それこそ刑事ものがやりたければ、警察を勉強、取材して書く。が、テレビの刑事ものを見て描いても観客には伝わらない。不思議な話だが、観客は偽物を見抜くのである。この続きはいずれまた。



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