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傷ついた人達は本当の敵ではなく、寄り添う人達を否定してしまう現象=やり切れないこともある。 [原発問題]

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傷ついた人達は本当の敵ではなく、寄り添う人達を否定してしまう現象=やり切れないこともある。

「朝日のあたる家」でいろんな方に取材した。完成後もいろんな方にお会いした。多くの人が賞賛し喜び、評価してくれた。が、思い出すことがある。福島在住で原発事故で避難を余儀なくされた方に言われた。

「この映画に出てくる家族より、もっと酷い目にあった人はたくさんいるんですよ!」

それは分かっている。何よりあの家族が最悪だなんて描いたつもりはない。多くの被害者の中の一つとして描いている。観客も理解しているはずだ。が、非常に厳しく言われた。その方は後からメールをくれた。

「すみません。監督の意図は分かっています。多くの監督が映画にしようとしない原発事故を描いてくれたことは本当に感謝しています。でも、あの映画を見た人が、あの家族が最も酷い目に遭った家族だと思われると悔しい。もっと大変な人がたくさんいる。そんな思いが込み上げ、監督に酷いことを言ってしまいました....」

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辛い思いをした人はその悲しみを本当の責任者ではなく、身近にいる理解者にぶつけることがある。それと似た状況がある。原発を反対する高齢者は若い人達。原発反対する人達を批判しがち。

「俺たちはチェルノブイリから反対してるんだ。福島の事故から反対するようじゃ遅いんだよ。勉強不足なんだよ!」

そんなことを言う人をたくさん見た。怒りは推進派に向けるべきなのに、同じ反対派の若い世代に向ける。そのことで原発デモに行かなくなった人。原発への関心を失った若い人も多い。「ドキュメンタリー沖縄戦」の完成披露試写会の時も同様。多くの人は高く評価してくれた。

「県外の人達が沖縄戦を伝えてくれて本当に嬉しい!」と言ってくれたが、一部、極々一部だが批判、中傷する人達がいた。「***事件が描かれていない!」「***の切り込みが浅い!」「勉強不足だ!」「沖縄に対する愛がない...」「***が不謹慎だ!」「お前なんか応援しない!」「基地問題が描かれていない!」

福島の悲しみを伝えようとしても「お前は分かっていない」「私たちの本当の苦しみを理解していない」と批判する人達。何十年も原発に反対して来た人達がその問題に気づいた若者を否定。日頃「なぜ、多くの日本人は沖縄問題に関心を持ってくれない」と憤る人は、関心を持ち行動する人を見たときに、嬉しさよりも「勉強不足だ!」「努力が足りない!」と感じてしまい、批判しがち。

悪気はない。「もっともっと頑張って伝えないと、伝わらないないんだよ!」と思ってしまう。が、そのことで寄り添おうとする人達が困惑し、離れて行くことに気づかない。長い間悲しみに耐えて来たことで、心を広く持つ余裕がない。結果、応援する人達を傷つけるだけで終わることもある。でも、悲しみを抱えた彼らを責めたくない。.........そんなことを時々、考える。

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