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ウイルスで世界が全滅する「復活の日」まさに今の日本? [映画感想]

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ウイルスで世界が全滅する「復活の日」まさに今の日本?

1980年に大ヒットした角川映画。amazonプライムで見つけた。僕は当時からひねくれ者でテレビで大宣伝する映画は見に行かない主義。確かテレビ放送の時に見た。それ以来の鑑賞。

映画で登場する「MM88」このウイルスは細菌兵器でして開発したもので、ワクチンがない。強い感染力で死亡率が高い。劇中でこんな解説がある。「最初は普通の風邪と変わらない」「それがたちまち肺炎となり」「他の症状を併発して」「今までに見たとことのない...」これってコロナやんか!

映画としては先日見た「感染列島」と違い、医者たちが長期間、不眠不休で治療にあたるので目の下にクマができ、顔色が悪く、汗が噴き出している。「感染」は何週間経っても主人公たちはサッパリとした顔で、髪型さえ変わらない。日本映画はその辺の演出がないことが多いが、「復活の日」はちゃんとしている。

前半のウイルスが広がる展開は人ごとでない。バタバタと死んでいく患者を埋葬できずに積み上げて、自衛隊が火炎放射器で燃やす。最近の日本映画では見ない、大物量作戦。物凄い数のエキストラ。大規模なロケ。超大作感満載。そして南極基地にいた人々だけが生き残り、どうするか?と言うのが後半だが、ここから「何で?」と言う展開。

子孫繁栄をどうするか?をこの映画で論じる必要があるのか? 「ウオーキングデッド」のシーズン1の次に現シーズン(いかに共存するか?がテーマ)が来るようなもの。2、3、4とウォーカーに追われる恐怖を描いたように、ウイルスの恐怖を丹念に見せるべきではないか?

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緒形拳の医者の話は1シーンしかなく、もっと掘り下げることができる。患者の家族とか、医者の苦悩。その辺「感染列島」は丁寧に描き、涙を誘った。が、こちらはダイジェスト的に見せるだけ。勿体無い。また、海外セールスを考えて、アメリカの有名俳優も多数登場するが、物語自体がインターナショナルになっていない。監督と共同脚本が深作欣二だが、アメリカ人の発想を理解しておらず、ハリウッド俳優を配置しただけでいつもと同じ日本映画として作っている。

グレンフォード演じる大統領の場面があるが、本来なら内閣総理大臣の場面。それを入れ替えただけ。おまけにアメリカの惨状はほとんど描かれない。これではアメリカ人観客は見づらい。共感できない。感情移入できないとなる。もし、アメリカセールスを考えるなら、草刈正雄と最後に行動を共にするボースペンソンの視点で最初から描くべき。

いわゆる昭和「ガメラ」方式(キングコング対ゴジラも同様)でアメリカ人キャラを出して、アメリカ人が物語を見やすいようにすることが大事。なのに、最後になって主役格になり、草刈正雄に花を持たす役割。アメリカ人観客が見ていたらがっかりするだろう(それもカッコ悪い形で死に至る)

そのため海外ではセールスできず、日本の場面をほとんどカットして編集し直した。それでも売れず(日本場面ないと、ほとんど物語として成立しないだろう)アメリカのケーブルテレビがようやく買ったと言う結末と聞く。

ただ、当時、この映画の予告編はめちゃめちゃ感動的で、それだけで涙するほど。ま、感動場面を全部見せてしまうと言う角川得意のパターンだけど。でも、25億円の制作費で25億円の収益。海外にも売れず。でも、今、見返して、それは当然だとも感じる。あー主題はウイルスだった。この映画を見た当時はこれはSFであり、こんなこと現実には起こらないようなあーと思っていた人は多いだろうなあ。



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