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「自分の立場を認識する力」とは何か?=映画の世界で考える [映画監督のお仕事]

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「自分の立場を認識する力」とは何か?=映画の世界で考える

心理学の用語ではないが「自分の立場を認識する力」と言うのがある。言葉通り自分がどんな立場にいるのかを把握する力だ。

会社でも先輩と共に営業に行けば、先輩を立てる。商品説明で先輩が間違ったことを言っても「それは違うでしょう!」と先輩を批判したりしない。2人はチームであり、営業先の人が不安になるような言動や態度は取らない。営業マンという立場。先輩後輩という関係。それを理解し認識する能力だ。

これは多くの人が把握している。学校のクラブ活動では先輩後輩の関係を学ぶ。校内でも1年生は上級生を一目置く。教師と生徒の関係。教師の中でも校長は一番偉いとか、それぞれの立場を把握し、関係性を壊したり、踏み外したりしないことを学ぶ。

映画の世界でも同じだ。決めるのは監督。もちろん、カメラマンも、照明部も意見はいう。だが、最終的に決めるのは監督。それをカメラマンが「それは違うよ。次のシーンはここから撮影するべきだ!」なんて言い張るのはダメ。時々、そんな人はいるが、避けられて行くことが多い。

また、撮影部や照明部が演出部に口出しをしない。演出部が製作部にあこれやり方を押し付けないというのもある。「お願い」というのはあるが、それぞれのパートはトップに技師がいて、その人のセンスや判断で仕事をする。それらを別のパートが「そのやり方はおかしい」「そこは***するべきだ」などと指示、批判するのはご法度。専門分野は専門家に任す。俳優が演出や技術に指示するのも同様にやってはいけないこと。同時に監督以外が俳優の演技に口出しするのもアウトだ。

そんな風に映画の世界でも「自分の立場を認識する力」は大切。それを忘れて、カメラマンが演出に口出したり、照明部が俳優に演技のダメ出しをすると、現場がグチャグチャになる。にも関わらず、たまにそんな人がいる。若手監督が斬新な演出をすると、ベテランの技術スタッフがあれこれ文句を言う。「それは違うだろ」「映画じゃねえよ」と。結果、監督が困る。そのスタッフは信頼されなくなる。作品の質が下がる。そんなことに繋がる。

だが、この辺のことはどんな業界でも多くの人が理解している。自分の立場を認識していない日本人は数ない。むしろ、上が悪いことをしていても、立場を理解し、それに加担すると言う政界というところもある。大企業でも同じ。その意味のこの能力は日本人はしっかり把握している?と言える。しかし、会社から出た途端にその力を失う人もいる。次回、解説する。


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