「スターウォーズ」の新作から考える。思い込みの心理=あなたは過去の刷り込みから逃れられるか? [心理を分析]
「スターウォーズ」の新作から考える。思い込みの心理=あなたは過去の刷り込みから逃れられるか?
「スターウォーズ」の新三部作。製作舞台裏を紹介しよう。旧三部作はエピソード4「新しい希望」〜6「ジェダイの帰還」と同じスタイル、カラー、テイストにしてある。と言うのは、前三部作エピソード1〜3はヒットしたが、批判も多かったからだ。
なぜ、評判が悪かったか?と言うと、観客の多くがエピソード4〜6の物語の延長戦(正確には前日譚だが)を期待していたのに、かなり違うスタイル、テイストだったから。違和感があり、何か「スターウォーズ」らしくない。と言う失望を感じたからだ。
その背景にあるのはジョージ・ルーカスの思い。元々、彼は「フラッシュゴードン」が好きなSF少年ではあったが、映画作家としては実験映画思考が強かった。新しいことにチャレンジしたい。そのためにエピソード1〜3は先のシリーズとは違う挑戦をしたのだ。大ヒットはしたが、旧三部作からのファンには違和感を持った人も多かった。ルーカスのチャレンジは素晴らしい。が、それにファンがついて来れていない。
ここにも「思い込み」の心理が働いている。「スターウォーズは旧三部作のカラーであるべき」とファンは思い込んでしまった。そこから外れて欲しくないと言う思いがある。「寅さん」シリーズがまさにそうであるように、ファンは同じ繰り返しを求める。それを察知したディズニーは、ルーカスが書いた新三部作の物語を捨て、ファンの希望に沿った昔ながらのものを新たに書いたのである。
それが新三部作だ。よく見れば分かるが、エピソード7は「新しい希望」の焼き直し。エピソード8は「帝国の逆襲」と「ジェダイの復讐」の焼き直し。しかし、古くからのファンはその焼き直し、繰り返しこそが「スターウォーズ」だと感じ、喜んだ。そんな風に人は一度、思い込んでしまうと、そこから離れなれなくなる。
僕の友人でもどんなに説明しても「トランプは悪い人」「消費税は福祉で必要だから仕方ない」「山本太郎は単なる目立ちたがり」「原発は必要悪」なんて言う連中がいる。理路整然と説明し、彼らが反論できなくなっても、納得しない。
最後は逆上し「俺はトランプが嫌いなんだよ!」と怒り出す。理屈では理解しても、それを受け入れたくなくて感情的になる。問題は「好きか嫌いか」ではなく、トランプが本当にしようとしていることを把握しているかどうか?なのに激昂する。
友人だけではない。多くの人が思い込みで間違った情報を信じ込み。そこから離れられないでいる。歳をとるほどにそれは顕著になり、若い頃に刷り込まれたものはなかなか書き換えることができない。しかし、戦後以来の革新が起ころうとしているこの時代。それを書き換えられない人。いや、その世代は、恐竜のように消えていくしかないように思える。
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