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日本映画が貧しくなった理由=腐りきった映画人が業界をダメにした? [映画業界物語]

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日本映画が貧しくなった理由=腐りきった映画人が業界をダメにした?

僕が映画界で働き出したのは19歳の時。まだ、日本映画黄金期のスタッフもいた。が、その後、斜陽になってから働き出した先輩たちを見ていて疑問に感じることも多かった。

製作担当とか、今でいうラインPのような立場の人たち。数百万円を預けられる。が、制作中にいなくなることがある。撮影が終わり、映画が完成するとまた会社に顔を出す。預かった金のことには触れない。関係者は彼が誤魔化していることを知っている。が、いろいろあって追求しない。

助監督の先輩が後輩を連れて飲みに行く。あれこれ飲んで食べて、ボトルまで入れて、領収書をもらう。それを製作会社に持っていき「ロケハンで行きました」と金をもらう。明らかにロケハンではない。ただ、演出部でコミュニケーションを取るためには必要なこと。線を引き難い。

僕は一番下っ端だったが、時には5千円とか預けられることがある。深夜の作業で朝までかかるので、夜食代、タクシー代となる。それを見ていた先輩が寄ってきて「さっき、金預かっただろう? あれで一杯飲みに行こう!」違うだろう? そんなタカリ体質がある先輩たちもいた。

つまり、1億円とか製作費が出ると、それをあれこれ理由をつけて食い物にしてしまう人たちがいる。というより、そんな体質の人たちがいる業界なのだ。分かり易く言えば官邸と同じ。「桜を見る会」という名目で総理の支援者を呼ぶ。おまけに前夜は一流ホテルで3000円の豪華バイキング。領収書を発行したというが1枚も出てこない。支援者への御礼だったのだろう。全て税金。それを自分たちのために使っている。同じ構図が映画界でも頻繁に行われていた。共通点はどちらも長らく続く団体であること。自民党も、映画会社も、一時は隆盛を極めた。

だが、現在は違う。にも関わらず、未だにプライドだけは消えず、長年の悪癖も残る。前回紹介したSONYと同じ「おごり」もある。どうせバレない。分からない。皆、見て見ぬ振りをするはず。長年の習慣だ。いいだろう。そんな思いが背景にある。当時の映画界も同じ。

昔からそんな習慣はあったのだろう。でも、同時に素晴らしい作品を作るスタッフもいて、映画は大ヒット。利益がどんどん上がる。その中で多少のつまみ食いや流用は許されたのだ。だが、80年代。作品に質は下がり、収入も下がったのに、悪癖は治らず、作品を作るより、目先のつまみ食いを続けている人たちがいた。

素晴らしい作品を作ろう!という思いは次第に失われ、目先の利益、個人の得、楽して金が入るやり方に流される。製作費が削減されれば、現場のスタッフのギャラを削ればいいと考える上層部。現場では製作費の流用やつまみ食い。こうして、年月が流れ、現在の低予算映画はつまみ食いすらできないほどの低価格になってしまった。それでもまだ、映画界にぶら下がり、ごかましで小遣いを稼ぐ輩はいる。

自民党が国民のための政治を辞め、自分たちに都合がいいことだけを続ける現在の構図ととても似ている。そんな映画界だが、「どうせ儲からないなら、せめていい物を作ろう!」と頑張るところもある。その辺の話はまた。



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