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「フォードVSフェラーリ」はまさにゴーン事件の日産を思わす。=大企業の上層部は腐りやすく、優秀な外部人材を排除? [映画感想]

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「フォードVSフェラーリ」はまさにゴーン事件の日産を思わす。=大企業の上層部は腐りやすく、優秀な外部人材を排除?

予告編を見ると「プロジェクトX」的な事実を描いたノンフィクション・ドラマ。ル・マンの耐久レースであのフェラーリを負かしたフォードのプロジェクトチームの汗と努力の物語だと感じ興味を持った。もともと、車やレースには興味ないが不可能に挑む人たちの生き様には強い共感がある。

が、映画を見ると少々違った。名門フェラーリに挑む、量産型自動車を作るアメリカチームの戦いではあるが、物語はフォード2世からの依頼を受けて頑張る外部プロジェクトチームを、フォード上層部がどれだけ邪魔をして、足を引っ張り、ルマンで勝てないようにしたか?の物語である。

僕もほぼ同じ経験がある。ある団体が素晴らしい目的を掲げる。が、自社ではできない。外部に依頼。僕らが参加したチームが様々な困難を超えて前へ進む。が、次第に組織上層部が邪魔を始める。踏みつけてくる。「依頼したのはお前たちだろ!」まさにそれを経験した。この映画の場合はフォード側はまず、外部委託したチームの上に数百人の委員会を設置。そこが精査、計画したものを押し付ける。

そもそも、フォード内部では勝てる車が作れないので、優秀な外部チームを雇ったのに、その上に無能な上層部の委員会を置くなんて本末転倒。彼らが考え計画したことは、良かれと思ってしても、マイナスばかり。また、発想自体が「勝つこと」「優秀なエンジンを作ること」より、フォードのイメージ。評判を損なわないことを優先。勘違い甚だしい。

会社内には仲良しクラブも派閥もある。それらを差し置き外部チームが優遇、賞賛されることを彼らは好まない。まるでゴーン事件の日産だ。社の業績が上がることより、手柄を外部の者に持っていかれることが許せない。映画でもフォードがすることはそんなことの連続。それに耐え、戦いながら外部チームはル・マンに出場。見事に優勝するのだが.....と言う物語。

もう、他人事とは思えず、イライラの連続。ヘンリーフォード2世に諛う取り巻きたち。小賢しく、取り入ることしかできない。そんな連中にチヤホヤされ載せられる2世。映画製作でもそんな光景を何度も経験した。そんな体制でいいものはできない。実際、この映画の後日談として、外部チームが抜けた後フォードは1度も優秀していない。そして、80年代に入ると日本車に追い越されて行く。

大組織ではトップに諛うだけの取り巻きばかりが集まり、ご機嫌取りを始め、社の方針を間違い、崩壊して行く。組織も政府も同じ末路を辿ること痛感する。


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