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しんゆり映画祭での「主戦場」上映中止=映画祭の資格を失う行為ではないか? 「朝日のあたる家」上映拒否と同じケース [映画業界物語]

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しんゆり映画祭での「主戦場」上映中止=映画祭の資格を失う行為ではないか?

この件。多くの映画人が批判。上映予定だった他の映画関係者が抗議の意味を込めて、自らの作品の参加を取りやめるという自体にもなっている。詳細が分からないと「危険な映画なら上映中止もやむ得ない」と思う人もいると思うので書いておく。

少し前に話題になった愛知の「表現の不自由展」あの時は「一斗缶を持ってお邪魔します」という脅迫FAXが来たということで中止。脅迫に屈したのだ。それがまかり通れば、オリンピックも万博も、脅迫が来たら中止するのか?ということになる。非難轟々となった。その後、知事の英断で再開したが、今回は神奈川のしんゆり映画祭で、すでに決定していた映画上映を中止するという。

映画は「主戦場」僕も見たが力作だ。日本人が見るべき映画。従軍慰安婦問題の真偽を問うドキュメンタリーで、すでに劇場公開され大ヒット。何ヶ月ものロングランになっている。その映画をしんゆり映画祭でも上映しようとしたところ。川崎市から横槍が入り、映画祭側は中止にしたという。新聞、ネットニュースによると、出演者から告訴された映画であること。それを上映することで、映画祭で何らかの危険行為が行われるかもしれない。映画祭も告訴されるかもしれない。という危惧が理由という。


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が、そもそも、告訴自体がおかしい。告訴したのは出演した従軍慰安婦否定派の人たち。監督のミキ・デザキ監督によると「映画として公開することもある」との一文が入った書類に出演者全員のサインをもらっているとのこと。それを後になって「騙された」というのだ。無断で証言を変えているということではない。告訴自体がまずおかしい。

次に、映画祭に危険というのも変。告訴した人たちが上映に反対して、犯罪行為を行うというのだろうか? もし、そんな危険な人たちなら、まず映画館を攻撃目標にするだろう。だが、何ヶ月も上映されているが、そんな事件は1度もない。そろそろ上映終了という頃に、わざわざ川崎で開かれる映画祭を狙ったりするだろうか? なのに主催者側は「警備する人員が足りない」というようなことを言っている。

もちろん、今回は「一斗缶」のような脅迫は何も来ていない。どの理由も筋が通らず、無理やり感がある。つまり「告訴されるような映画を上映して、もし、誰かが何かをしたら、面倒だから、上映中止にしておこう!」と、「告訴」という事実怯え、状況を正確に把握せず、あらゆる可能性を考えていないのではないか? だから「表現の不自由展も脅迫されて中止になったから、その線を踏襲しよう」と安易な決断をした。

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僕の映画、原発事故を描いた「朝日のあたる家」でも同じことがあった。多くの映画館が上映拒否。その理由のほとんどが「どこかの誰かが、何かをしたら困るので、とりあえず上映しない」というもの。では、どこの誰が何をするというのか? 東電や経産省が火をつけにくるだろうか? そんなことはあり得ない。原発を反対する過激な人はいるが、原発を推進する過激な人はまずいない。なのにそれが心配で拒否。だが、心ある映画館は手を挙げてくれて結果、全国で27館の映画館で公開された。が、トラブルは一件も起きていない。

今回はその上映拒否の映画館と同じ発想だ。それも映画祭という看板を挙げている団体が、自分たちが「見せるべき」と考えて選んだ映画を、何ら危険がないのに、あり得ないことに怯えて中止するのは映画に対する愛も、多くの人に映画をみてほしいという思いも存在しないということだろう。臭くないものでも蓋をしろという姿勢。「これはもう、町の活性化のための客集めイベントであり、芸術や表現を真剣に考えてはいない」と言われても仕方ないだろう。それが「しんゆり映画祭」だということ。忘れないで覚えておこう。


続報。映画祭代表のとんでも発言?!=>https://cinemacinema.blog.ss-blog.jp/2019-10-31


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