Netflixオリジナルドラマ「マインドハンター」を見ていて特に興味を惹かれた場面。 [精神病&精神障害]
Netflixオリジナルドラマ「マインドハンター」を見ていて特に興味を惹かれた場面。
主人公のFBI捜査官が警察で残虐な犯罪者のレクチャーをする。彼がなぜ、そんな凶行に至ったかの心理分析。だが、現場の警官たちは興味を持たない。こういうのだ。
「もともと、おかしな奴だったんだよ」「そんな奴は一生、ムショにブチこめばいい」「射殺だ」「家庭環境なんて関係ねえよ」
1970年代の警察はそんな感じだったのだ。精神異常とか残虐殺人について無知なので、そんな反応。これ、僕が精神病の話をした時の周りの反応と同じ。ある社長が理不尽の限りを尽くし、プロジェクトをギタギタにして、多くの人が振り回されたことがあった。いろいろ調べると社長は双極性障害であった。
でも、説明しても、多くの関係者はキョトンとするか「あいつはただ嫌な野郎だよ」と憤るかのどちらかだった。また、境界性パーソナリティ障害の女性のために、あれこれトラブルが起こり、多くが迷惑した時は逆の反応。
「あの人は悪い人じゃない」「ブログを見たけど普通でしたよ」「監督の方がおかしいんじゃない?」
ほとんどが患者の問題に気づかない。もちろん先の存在とは違い、患者が犯罪を犯すことはほとんどないのだが、心を病んでいるというのは共通する。凶悪殺人の犯人も多くが家庭に問題があり、幼少期にトラウマがある。患者の場合も、すべてではないが、同じような背景がある。(双極性障害などは今も正確な原因を特定できてはいないが)それを見つめることで、わかってくること。見えてくることがあるのだが、それを見つめよう、考えてようという人はまずいない。70代のアメリカの警官と同じ。
関心を持つ人のほとんどは自身が患者の被害に遭った経験がある場合。いくら言葉で説明しても一般の人は理解もしないし、想像もできないようだ。こちらが「宇宙人がやってきた」と言っているかのような冷たい視線が返ってくるだけ。
それどころかトラブルの原因が患者であることにさえ気づかない人も多い。「単なる嫌な奴」と解釈する人。その患者の嘘や妄想に振り回されている被害者が責められたり。あるいは原因は患者ではなく、何らかの別のことでトラブルが起こったと考える人も多い。結果、状況把握できず。問題は大きくなり、被害者が攻撃され、患者は同様の行動を続けてしまうことがよくある。
まさに「マインドハンター」の一場面と同じ。そんな状況を変えるべく主人公は残虐な犯罪で収監された犯罪者にインタビューを試みるという物語。「ジョーカー」もダブる部分がある興味あるドラマである。
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