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巨悪を守る悪意なき庶民たちの罪。「ジョーカー」で描かれた悪? [社会政治]

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巨悪を守る悪意なき庶民たちの罪。「ジョーカー」で描かれた悪?

また、「ジョーカー」の話をする。僕が一番惹かれたのは「悪意のない悪」の部分だ。これまでの映画では悪役は悪意を持って登場した。金のため、権力のため、支配欲を満足させるため。ところが映画「ジョーカー」にはその種の悪はブルースの父くらいであり、あとは悪意のない庶民ばかり。しかし、その悪意のない人たちにアーサーは踏みつけられて悪になって行くというのが興味深い。

「ダークマン」では主人公を貶めるのは悪の組織であり、その復讐のために正義のダークマンとなる。「ジョーカー」も似た構図だが、アーサーを貶めるのは悪意のない庶民たちであり、そのせいで悪のジョーカーとなる。ここにやり切れなさを感じる訳だが、そんな庶民の罪というのは見過ごせないものになっていること近年は感じる。

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例えば「俺は安倍だけは許せない。もう、自民は支持しない。だから、選挙にはいかない」という人。結果、自民の隠れ応援団になっているのに、それに気づかない。選挙へ行くことを勧めると「支持してない政党には投票できない!」と怒り出す。自民にコントロールされていることを理解していない。

「消費税値上げ。嫌よね」と言いながら、山本太郎が「消費税ゼロに」と主張すると「そんなことできる訳ないでしょう! 無責任な」と批判する主婦。こちらも悪意はないが、結果、自分で首を絞めている。国民のために頑張る山本太郎を国民であるその主婦が攻撃しているのだ。

あるいは「消費税は福祉に使われている。福祉は必要だから、我慢して10%を払おう」と反対しない人。実はほとんど福祉には使われずに、大企業の法人税値下げの穴埋めに使われていることを知らない。まんまと政府の嘘に騙されている。そして消費税反対という人たちを「福祉の大切さが分からないバカども」と批判してしまう。

彼らに悪意はない。が、結果、政府や企業を応援。不正や理不尽に反対する人たちを批判、攻撃している。悪を容認。ジョーカーで描かれた「悪意なき庶民の罪」とまさに同じ。騙す側が一番悪い。でも、騙されて誘導される庶民もまた罪なのではないか? 今の時代。その人たちこそが悪を支え、守っている。「知らなかった。騙されていた」では済まない時代が来ている。



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