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「ジョーカー」の後日談が「ダークナイト」そこから見えてくる彼の目的=そして人の醜さを暴くこと? [映画感想]

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「ジョーカー」の後日談が「ダークナイト」そこから見えてくる彼の目的=そして人の醜さを暴くこと?

「ダークナイト」を見れば

「ジョーカー」の意味がさらによく分かる。すでにご覧になった方も多いと思うが、思い出してみよう。悪の帝王となったジョーカーはバットマンが守るゴッサムシティで行動を開始する。が、これまでの悪は街を破壊する。人々を殺す。という活動だった。

それがジョーカーがやったのは、街を守るバットマンを差し出せという通告。でないと、市民を順番に殺していくというもの。この脅迫のいやらしいところは、これまでバットマンに守られていた市民や警察の力で彼を捕まえ、差し出せというもの。それに対して市民の多くが市庁舎に押し寄せて「バットマンを渡せ」とデモを行う。

ジョーカーが次にしたのは、

客船2隻に爆弾を仕掛けること。起爆装置もつけてある。そして両方の船長に先にスイッチを押して相手の船を爆破した方を助けてやると通告する。これも自身で手を汚さず、船長に何百人という乗客を殺せと命じる。共通するのは、市民に犯罪を強要すること。つまり、これらは人間性への挑戦なのだ。


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「お前らはいつも善良な市民を装っているが、結局、自分さえ良ければそれでいい。他人なんてどうなってもいい。自分たちを守ってくれる存在であっても、自分が危険な目に遭うのなら殺してもいい。それがお前ら庶民なんだよ」

といわんがばかり。人間の醜さを暴き立て、証明するための犯罪なのだ。単に金が欲しい。街を支配したいというのが目的ではない。その背景にあるものこそ、新作「ジョーカー」で描かれた部分。

「君のことは好きだよ。でも、同僚たちが..」

とアーサーに注意する上司。結局、彼の立場や苦しみを理解せず、電話1本でクビにする。アーサーが殺した会社員3人。が、彼らは酔った勢いで若い女性に絡み、ピエロ姿のアーサーに暴行。その背後には特権意識が見える。なのにニュースでは「エリート社員が無残に殺された」と報道。

行政は福祉費用を削減。

アーサーは治療を受けられなくなる。「街を改革する」と宣言する大金持ちのウェインはアーサーを汚いもののように扱う。そして誰も彼には救いの手を差し伸べない。

「お前らは建前だけだ!他人のことなんて考えてもないくせに、綺麗事言いやがって。だったらその仮面を引き剥がしてやる。お前らは自分さえ良ければいい最低の存在であることを思い知らせてやる!」

そんな思いを反映したのが「ダークナイト」での凶行だ。そこに現代の歪みも見える。「ジョーカー」に登場した人たち。皆、貧しく苦しい生活をしている。その背景にあるのはウェイン社長のような金持ちの存在。それに気づかず、アーサーの母も「素晴らしい人よ」と称賛。そして貧しい者同士がひがみ合い、傷つけ合う。まさに今の日本と同じ構図。

この映画がアメリカでも日本でもヒットしたのは、現実を映し出した、その背景に多くの人が共感したからだろう。私たちもジョーカーなのだ....。


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