人は本当に好きな仕事をすることで、多くの人をハッピーにできる! [my opinion]
人は本当に好きな仕事をすることで、多くの人をハッピーにできる!
(2017年5月の記事改定)
1960年代の日本映画は世界レベル。なのに今はダメ。その理由を黒澤明監督に聞いた人がいる。答えはこうだった。
「当時は監督が本当に撮りたい映画を会社が撮らせていたからさ! でも、今は押しつけの企画ばかり。だから、いい作品ができないんだよ」
ただ、自分が本当に好きな映画を撮れる監督は非常に少ない。会社が企画したものを依頼されることがほとんど。それも漫画原作とか、人気俳優が主演、主題歌は有名な***と決まっている。そうなると監督は単なる請負業。人は納得できないもの、真剣になれないことはお仕事として対応しがち。
逆に、本当に撮りたい映画を作れれば全力で作るので名作ができるー昔の映画会社はそれを知っていたので、世界レベルの名作がたくさん作られたが、押しつけの企画ばかりの現代はいいものが出来ないと黒澤監督はいうのだ。
巨匠たちに学び、無茶だと知りながらも僕は1作目の「ストロベリーフィールズ」から夏撮影予定の「明日にかける橋」まで、全て自身が企画した作品。どれも原作はなく、オリジナル・シナリオを自身で書いている。キャスティングもスポンサーからの押しつけではない。演出、編集、音楽、完成まで、自分の思う通りやらせてもらう。本当に撮りたいから頑張る。だから毎回、評判がいい。「感動した」「泣けた」「俳優が素晴らしい」と言われることが多い。それも本当に撮りたい映画を撮っているからだろう。
ところが、こういう人たちもいる。「嫌な仕事でも一生懸命やることが大事」それはその通りだ。しかし、その発想が曲がってしまい、こういう人たちがいる。「辛いのが仕事。楽しいのは遊び」「好きなことばかりできるほど世の中甘くない。仕事は辛いもの」という考え方だ。僕も映画を撮った地元でこう言われることがある。
「結局、監督は自分が撮りたい映画を撮っているだけだろう? やりたいことをやるのは遊び。ギャラはいらないでしょう?」
何でそうなるの?と思っていたが、先の論理だ「好きなことをやるのは趣味=仕事ではない」そういう人の多くは「好きでもない仕事」をしているのだろう。
僕にとって大事なことは、観客が喜んでくれる映画を作ること。クオリティの高い作品を作ることだ。作りたい映画だかこそ、ギャラが安くても、7人分の仕事をしても、過労死しそうでも努力する。その結果、映画が完成して残るのは、いつも膨大な借金だけということが多い。それで素敵な作品ができればいい。監督が真剣にかかるからキャストやスタッフも真剣になる。そして素敵な作品ができる。皆がハッピーになる。だから若い人にはこういう。
「本当にしたい仕事をしろ。我慢しながら嫌な仕事をして、がんばる人を批判する人生を選んではいけない」
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