映画「新聞記者」に感じた疑問① 原案となった本。読んでいるが.....次々に疑問が? [「新聞記者」検証]
①映画「新聞記者」の原案となった本。読んでいるが.....次々に疑問が?
大ヒット中の映画「新聞記者」とても好評だが、僕はかなり引っかかるものがあった。そこで原作ではなく、原案とクレジットされている東京新聞の記者・望月衣塑子さんが書いた本を読んでいる。これは小説ではなく、子供時代、学生時代、東京新聞入社、新人時代から現代までの自伝的なエッセイである。
読むと、なるほど、あの官房長官に食い下がる彼女の背景がよく分かる。記者というと男性というイメージが強いが(もちろん偏見です)それを彼女は覆している。そんな望月さんの葛藤と活躍。挫折と反省が綴られた本でとても興味深い。だが、半分以上読んだが、引っかかるものがある。彼女のエピソードが映画で生かされてない。
もちろん、原作ではないし、原案。原作でも主人公のキャラクターだけ借りて別の物語ということもある。だが、望月さんという実在の人物をモデルにしているのであれば、名前は変え、多少の設定は変えても何か彼女らしいものは残すはず。逆にそれをしなければ望月さんでなくても良かったということになる。検証しよう。
映画のヒロインは帰国子女で父親も記者。その父が陰謀に嵌められて悲しい末路を辿る。その思いを継いでヒロインは記者を続けるという設定。日本の有名俳優には断られたので韓国の女優が演じたらしい。そのことで帰国子女に変更したのだろう。だが、おかしい。
どこかの週刊誌では女優の実名を挙げ「反政府のイメージがつくからと断られた」と記事になっていた。(女優の実名が上がることは通常ありえない。これも不可思議。いずれ説明)それが本当だとしても、記事に出た候補者以外で「やりたい!」という日本人女優はきっといただろう。新人であったとしても日本の女優が全て断った訳ではないはず。
そもそも望月さんがモデルの役。日本人女優で探すべき。なのになぜ、韓国の女優になったのか? そのことで帰国子女に設定を変えねばならない。モデルの望月さんから離れてしまう。ただ、それでも彼女の経験をエピソードに織り込むことはできる。なのに彼女の経験談を綴った本からは、今のところ、それらエピソードを映画に持ち込んでいない。さらに望月さんから離れる。それならオリジナルで女性記者ものにすれば良かったのだ。
彼女の勇敢な活躍が有名であり、その行動に共感するからこそ、映画のモデルに選んだのではないか? なのになぜ、彼女から離れることばかりするのか? もしかしたら、望月さんがモデルではなく、彼女の活躍に触発されて「女性記者ものをやろう」と思いつき、彼女の経験や人生とは関係のない、別物の新聞記者ものを作ったということか? そう思うと、ヒロインが帰国子女で、韓国の女優が演じてもおかしくない。望月さんとは関係のない別物語なのだから。
だが、映画は望月さんがモデルとアピールしているのに、彼女の存在が映画に持ち込まれていない。製作サイドの望月さんに対するリスペクトや興味が感じられない。他にも映画にはいろんな疑問がある。作り込み、外枠、表現、シナリオ。なのに、その問題点を誰も指摘していない。おかしい。このあとも様々な矛盾、疑問点が続々と出て来た。やがて見えて来る驚愕の事実。分析を続ける。
(続く)
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