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状況把握能力とは何か?①=問題解決をして前に進むための力 [my opinion]

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状況把握能力とは何か?=問題解決をして前に進むための力

記憶力、想像力、分析力、

などなど、いろんな能力がある。そんな中で僕は「状況把握能力」という言葉をよく使う。心理学や精神医学で実際に使われている言葉ではなく、僕が勝手に作った言葉だが、これがかなり有効なのだ。

どんな意味か? その人が今、置かれている状況を把握する力のこと。その能力が高い人はリーダーとしても優秀であり、問題解決や物事を進行させることができる。その能力が低い人は周りを混乱させ、問題を次々に起こし、物事を止めてしまう。

そう聞くと、能力の低い人はまるで悪の手先か? 敵国の工作員だと思てるだろう。しかし、やってることは同じ。違うのは、その人は「混乱させてやれ!」と思い行動するのではなく「良かれ!」と思ってやっていることが多い。が、結果、皆を混乱させてしまう悲しい存在となる。

では、その状況把握能力とは

どんな能力か説明する。言葉通りに状況を把握する力だ。例えば映画製作なら製作費はいくらか? 撮影期間はどのくらいか? スタッフは? キャストは? スポンサーは?と、自分を取り巻く状態を把握、理解する。

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そして、テーマ。その映画は何のために作られるのか? も把握する。商業映画で儲けるため? 町おこしのための地方映画? 社会問題を訴えるための作品? 芸術性を追求? アイドルを売り出すための映画? いろんな目的がある。それを理解し、把握することで、目的に向かってプロジェクトを進めることができる。

アイドル映画で芸術性を追求しても意味ないし、社会問題を訴える作品なら低予算で作らないと、大手企業の賛同が得られないことが多い。状況を把握すると、おのず方法論が決まってくる。そんな中で状況を理解する能力が低い人がいると、あれこれ問題が起こってくる。

例えば「今回は社会問題を訴える作品」

とする。当然、製作費は低い。人件費も低くなる。スタッフは皆、2役3役せねばならなくなる。なのに「何で俺が別のパートの仕事をしなきゃいけないんだよ〜」と不満をいう。でも、それは仕事を受けた段階で想像の付くこと。それをいつもの商業映画の感覚でいるから、不満が芽生える。その切り替えができないスタッフは状況を理解する能力が高くないということだ。

撮影が遅れている。予算にも余裕がない。見ていると美術部の仕事が遅れている。「お前らのせいで撮影が遅れてんだろ!」と怒る奴が出てくる。でも、そうだろうか? 本当に美術部の責任か? 状況把握をしっかりすると、予算が少ないことで美術部は助手の数を減らされ、経験のない新人が助手。その上、美術費が極端に少なくて、捨てられたものを拾って来て作り物をしていた。

仕事が遅いのは十分な予算をもらっていないからだ。それを「遅い」と批判しても何の解決にもならない。状況からすると、予算は増やせない。助手の数も増やせない。なら、作り物を必要最低限にして、美術部の負担を減らすしか方法はない。監督に話して、セットの飾り付けを減らす等の対応をするべきなのだ。

「ギャラが少ない!酷い!」

という役者。でも、考えれば、彼は新人。経験も少ない。演技も大したことない。監督が好意で呼んでくくれただけ。ノーギャラもいいくらいだ。彼を呼ぶだけで交通費、宿泊費、食費がかかる。映画撮影に参加できるのは新人にとって大きなプラス。それに気づかず、ギャラが安いと不満を言う。


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状況を把握できていない。ギャラの金額だけしか見ていない。己の実力、評価を考えず、バイト感覚で8時間働いたら8000円は欲しいと言うレベル。それを把握できず、監督の好意にも気づかず、不満を言う役者を呼んでも現場の空気が悪くなるだけ。彼もまた状況把握能力が低いのである。

現場で怒鳴るベテランスタッフ。昔はよくいたが、最近は少ない。それでは許されなくなって来たからだ。納得できる理由があればまだいい。若手がダレているの活を入れるとか。それが自分の不満や個人的な理由で怒鳴っているようではダメ。それも状況把握能力が低いと言える。

「イライラする!」「何で俺がこんな仕事をしなきゃいけないんだ!」「ギャラも安い!」「監督が新人でバカだ!」

そう思ったとしても、そこで怒鳴っていいことには繋がらないし、怒鳴っても問題は解決しない。例えば、その人が技術部であれば、自分の仕事をまず頑張ること。ベテランであれば新人の監督をフォローしてあげる。自分のいる立場と経験。何をすればプラスで、何がマイナスか?を考えること。

状況を把握していれば、そんな答えが見えてくる。なのに、自分から見える光景と個人的な感情だけで怒鳴ってしまう。それは他のスタッフのやる気をなくし、彼自身の評価を下げることにしかならない。そんな風に状況を把握できない人がいると、大変な事態がより大変になってしまう。

これは会社でも、組織でも同じ。その仕事は何が目的で、どんなメンバーが集まり、どのようにして進められているか? そして自分の立場。役割を理解すること。それが状況把握である。

太平洋戦争を勉強していても、

米軍は日本の状況を把握した上で攻撃している。対して日本は、自国の戦力を過大評価。アメリカの力を過小評価。古い記録を参考に算段。武器がなくても気力で勝てると指示。

対するアメリカは驚くほどの日本の状況を把握していた。言えることは上にいる人間に状況把握能力がない国は国民が苦しむと言うこと。また、上にいる人間でなくても、状況把握ができない者がいると、仕事でも、撮影でも、次々に問題が起こる。

その意味で僕はスタッフを選ぶとき、その人に状況把握能力があるか?を見る。感情的過ぎないか? 立場を理解するか? を考える。映画撮影以外でも同じ。人を見ると言うのは「状況把握能力」が高いか低いか?を見ると言うことなのかもしれない。



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