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なぜ、人は自分が住む世界の常識や価値観を相手に押し付けてしまうのか?=変人たちの世界。そこにある別の価値観? [2018]

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なぜ、人は自分が住む世界の常識や価値観を相手に押し付けてしまうのか?=変人たちの世界。そこにある別の価値観?

作家、演出家、音楽家、シンガーソングライター、とかいうと、世間の人たちは芸術家、アーティストと呼び、一目置くこと多い。売れていないとクソミソに言われるが、名が売れた人たちは尊敬さえ受ける。

だが、その手の職業の人にはひねくれ者が多い。おまけに世の中を斜めに見て、頑固で思い込みが激しく、付き合うととても大変な人種だ。正常とは思えない人、狂っているとしか思えない者もいる。(ただ、すぐには本性を見せない?)

それを知らない人たちが多く、尊敬や興味を持ち、チャンスがあると近づいて行く。が、親しくなると、トラブったり、揉めたりしがち。最初は腫れ物に触るように扱うが、付き合いが長くなると、通常の接し方をしてしまうからだ。

アーティストはもともと変人。どうでもいいことに拘ったり、意味不明なことで怒り出したりする。結局、多くの人は「失望した!」「裏切られた!」と離れて行く。だが、もとも彼らは変り者。間違った期待をしただけ、裏切られたのではなく、最初からヘンな人たちなのだ。

確かにこの業界。先輩や後輩を見ても変人が多い。一般常識では計れない人たちがいる。ただ、おかしい人ほど素晴らしい作品を撮っているところがあり、常識的で無い人ほど能力があることが多い。

そして変人というばかりでなく、この業界、歌でも、芝居でも、映画でも、小説でもそうだが、一般の社会とそれら業界の価値観やルールが違うというのも大きい。そんな世界の人たちに、一般社会の価値観やルールを押し付けるとトラブルになるのは必至。

映画学校に行くと生徒から「監督業は食えますか  月給に直すといくらになりますか?」などと聞かれる。それこそ時給50円のときさえある。でも、月給に換算したり、食える食えないというのは一般社会での価値観。そんなことで「監督になる」「ならない」を判断するのはおかしい。

このところの戦場ジャーナリストバッシングも同じ。一般の価値観で批判している。あるお笑い芸人は登山家に例えて「その意味では失敗だった」と発言していたが、ジャーナリストを登山家に例えること自体が無意味。

金をもらわなくても、安いギャラでも手抜きをせず、やらねばならないー命がけの仕事というのも存在する。が、それが多くの人には分からない。「危険なところに行くのはバカだ!」という発想でしか見れない。

俳優の松田優作さんは、「ブラックレイン」の出演が決まったとき、膀胱ガンにかかっていた。手術をすれば下半身不随。映画には出れない。出演すれば症状が悪化、死亡すると言われた。が、出演を選び、亡くなった。

一般の人には理解できないかもしれないが、役者には命がけで演じている人が少なからずいる。戦場ジャーナリストも同じだ。それを外野から一般の論理で批判するのは無意味だ。

親が危篤になれば、多くのサラリーマンは仕事を休み、病院に駆け付ける。が、芸能人は「親の死に目に会えない」と言われる。舞台公演を休んで病院にはいけない。そのために公演ができず、多くのお客が迷惑するからだ、映画撮影でも同じ。1人の俳優が来ないだけでも、その日の撮影はできない。それが芸能の世界。

他にも映画スタッフは最初、無給で見習いをすることがある。現場で技術を学ぶ。それを「ただ働き!」「若者を利用している」「せめて時給を払え」と批判する人がいる。でも、職人や調理師の世界にも同じ習慣がある。そしてタダで働くのではなく、授業料を払わずに学べるのだ。それに気付かない人がいる。

高い授業料を払い役に立たない知識を教える映画学校が多い。現場のベテランスタッフから直接、授業料なしで学べる見習い。どちらに意味があるのか? 学校を批判しないで、見習い制度をなじるのは違うように思える。

人は知らない内に、自分のいる世界の価値観や常識に縛られてしまい、当然のようにそれを相手に押し付ける。受け入れないと「おかしい!」「失礼だ!」「常識がない!」と批判。自分は正しい。相手が非常識なのだと考える。

アーティストたちも世間の常識から見ると変人なのだが、実は彼らなりの価値観やルールが存在する。でも、それが分からない。カタギの世界から見ると意味不明。だから、変人だと思ってしまう。

だが、東京と大阪でも価値観が違うし、日本とアメリカも違う。宗教によって、世代によって、男女によっても違う。業界だって、それぞれの価値観やルールがある。違うということからスタートすること。大事なことだと思える。


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