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夢を語ると止めにくる人たち③ 戦後教育がオウム信者と変わりない多くの日本人を育てた? [【再掲載】]

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 前回は日本の教育が日本人の「考える力」を育てていない

という話を書いた。その背景に、与えられたことを確実にこなす優秀なサラリーマンを育てるという目的がある。そのためには上からの命令に逆らわない。疑問を持たない大人であることも重要。

 従順で、文句を言わない、反抗しない、命令通りに動くまさにサラリーマン・ロボットを作り上げることが日本の教育の目的。育てたロボット人間を優秀な者から大手企業は採用。日本は経済大国となる。企業は採用者たちの生活の安定を保証した。その選別のために必要なのが受験システム。その安定に惹かれ母親たちは我が子の将来を心配せずに済むように、子供たちを受験戦争に送り込んだのである。

 それは強固な社会システムとなり、

その体制や流れに反抗する者。つまり「会社員にはなりたくない。僕は俳優になりたい」とかいう若者。歌手。小説家。芸術家になりたいと受験や教育を否定する者が出て来ると、本来はいろんな道があるのだから、それはひとつの生き方。だが、先のような夢を語ると、多くの大人たちがよってたかって、その夢を諦めるように説得する。

 「世の中甘くない」「現実を見ろ」「お前才能あるのか?」と、何がもらえる訳でもないのに熱心に否定や批判をする。「皆、本人とため」と思っているが、それは結果、サラリーマン・ロボットを育てる教育システムからはみ出そうとすると、説得して連れ戻し、国が決めた通りの生き方をするように強制するのだ。


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 ここが非常に気持ち悪いところで、

彼らは役人でも、教育システム推進を仕事をする人たちではない。なのに、他の人たちと同じように決められた教育を受けることを強制してくる。ここに日本人の気質が見える。「皆と同じであること」「はみ出さないこと」「協調性を持つ事」それらを大切に考える日本人の考え方が、結果として、サラリーマン・ロボット育成教育を推進。そこから出ようとするものを連れ戻す役割を果たしているのだ。

 その日本人の気質が太平洋戦争で暴走した。「お国のために死ぬ」その発想のもと。母親たちは子供たちを戦地に送り、多くを死なせてしまった。「戦争反対」「何か間違っている」と云おうものなら、近所の人が集まり「非国民!」となじられただろう。国の定める目標に逆らう者は国が対応する前に、国民が、市民が、近所の人たちが定められた生き方、考え方に連れ戻そう、押し込もうとするのである。

 太平洋戦争も受験戦争も同じ構図であり、

どちらも国策。間違ったことであっても押し進められ、多くの人々は疑いもせずに従い、まわりの人たちにも強要する。それが日本人気質であり、さらに考える力を持たない、言われたことだけをする大人に育ててきたのが戦後の教育なのである。

 オウム真理教でも、高学歴の信者がたくさんいて「なぜ、あんな賢い人たちが麻原彰晃なんかに騙されてサリン撒いたりしたのか?」と当時、多くの人が疑問に思った。が、日本の教育は「考える」大人を育てるのではなく、上から与えられたことを確実に実行する人間を育てること。信者たちは麻原尊師という上からの指示に従い、応えたのだ。そう考えると学歴がいくら高くても「考える」力が育っている訳ではないことが理解できる。それが日本の教育なのだ。前回はそこまで書いた。

 最近はネットの普及により様々な情報が流れる事で、その辺に疑問を持つ人も出て来た。が、まだまだ多くの人は上から言われることを素直に受け入れてしまう。「戦争法」と言われる「集団自衛権」も一部の人は反対したが、多くは政府の説明通りに「あれは戦争を止める法案」と思い込んでいた。ちょっと意味を考えると、矛盾だらけ。国会中継やニュース番組を見れば、その説明があまりにも筋の通らぬものだと分かるのに、気付かない人が多い。

 そんなふうに考える力が弱い国民なので、

ニュースで嘘を流しても信じてしまう。「テレビが言ってるんだから本当だ」と思う。それに目を付けたのがあの政権である。自分たちを批判するテレビ番組、キャスター。コメンテーターがいると、局に圧力をかけて降板される。そして、自分たちに都合のいいことを言う存在を後がまに持ってくる。


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 キャスターどころか、局のトップに手下を配置することまでしている。「政府が右というもの左とはいえない」と、報道機関とは思えぬことをテレビカメラの前で言うような人。でも、そうやって、政府に都合の悪い報道や批判をできないようにして、「政府はがんばっています」「支持率は高いですよ」と実際とは違う情報をテレビ、新聞、報道番組から流す事で、考える力が育っていない大人たちは、何の疑いもなしに受け入れ、信じてしまう。自分たちが搾取され、税金が無駄に使われ、弱い人たちを踏みつける政策が進んで行くのだ。

 戦後の教育は優秀なサラリーマン・ロボットを

育てるというのが目的であったが、ここまで来ると政府が国民を支配しやすい、操る事が簡単。逆らわない、従順な国民を育てることも目的だったのではないか? と思えてしまう。日本人にとって重要な法案や危険な原発の問題より、多くの国民は芸能人の不倫や人気アイドルの解散に興味が行くのも、考える力が育っていないから。目先のことをしか見えない大人たちであることの証明だと思える。

 「夢を語ると止めに来る人たち」はなぜ、そんなことをするのか?というところからスタートした今回の問題。その背景に大きく歪んだ教育システムと国策を見つけた。さらに、そのことが様々な問題に繋がっており、見せかけての政治家がトップ当選したり、政府が国民を踏みつけにする政策を続けても多くが気づかず、むしろ賞賛するのも背景は同じだと分かる。

 では、次に考えるべきは、「だったら、どーすればいいか?」になってくる。先にも紹介したが、その答えはまさにSoftBankの会長・孫正義が言った言葉だ。

 「日本人は考える教育をしないと、金輪際、アジアの企業には勝てない」

 彼の発言はここまで紹介してきた日本の戦後教育の現実を踏まえてのものである。では、考える力を持つにはどうすればいいのか? 考える力が育っていない大人はどうするべきか? 子供たちはどうすればいいのか? それは別の機会にまた考えたい。






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