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夢を語ると止めにくる人たち② サラリーマン・ロボットを育てる日本の教育? [my opinion]

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 「日本人はなぜ夢を否定したがるのか?」

 について先の記事で書いた。それで思い出したが、日本の教育方針というのは、戦後アメリカによって決められたものだという。国が経済的成功を収めるための人材教育としての実験として行なわれたものだと聞く。もし、そうであれば大成功。焼け野原となった国土から立ち直り、一時は世界ナンバー1の経済大国にまでなったのである。

 日本の教育システムはこうだ。真面目に勉強し、成績を上げる。いい大学に入り、いい会社に就職する。そうすれば、定年まで勤められ、定年後は年金や退職金で生活ができる。一生安泰というシステムだ。よりいい成績を上げることで、よりいい大学に合格でき、よりいい会社に入社できる。それはより高給をもらうことでき、より安定し、より豊かな生活ができるというシステムでもある。

 国としても、成績優秀な者を役人として採用。国家一種試験に合格すれば、エリートコースを約束した。企業も一流大学から採用。成績優秀な人材が大手企業で、第1線で働く事となる。日本の教育は与えられたことを、いかに確実にこなすか?を訓練するもの。そんな優秀な人材が第一線で働くことで、企業は大成長。経済大国へと育ったのである。


 そのシステムに一番、乗っかったのが世の母親

だと思える。勉強さえすれば、成績さえ良ければ、一生安泰。我が子は苦労することなく、食いっぱぐれることなく生活を送れる。なので、子供たちを勉強させた。家庭教師をつけ、塾に通わせて、勉強させるようになる。

 ただ、問題がある。その教育は「暗記」が中心。「考える」は少しだけ。これは意味がある。つまり、全てについて優秀な人材を育てるのではなく、「与えられたことを正確にこなす能力」が秀でた者を育てるという教育。何かというと、上からの指示に疑問を持たない。指示に逆らわない。あれこれ背景を考えないという大人を育てるということだ。まさに、サラリーマン・ロボット。今の代表的な日本人の姿でもある。


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 上から言われればおとなしく仕事をする。

反抗しない。「その仕事は何の意味があるのか?」考えない。つまり、上の人間がとても使いやすい存在を育てて来た。従順で、疑問を持たず、逆らわない。ちょっとやそっと酷い目に遭っても我慢して働く。上からだけではなく、テレビや政府が何かを伝えれば、疑うことなく、信じ込んで従う。


 これは16年に渡って、暗記中心で、考えるという訓練をしない教育によって、自分でものごとを把握し、判断することができない大人が数多く育ったからだ。原発問題にしても、9条改憲にしても、秘密保護法にしても同じ。あの程度の誤摩化しで信じてしまう人が多いのは、やはり教育の成果だろう。

 その代わりに、指示に逆らわず、

身を粉にして働くサラリーマン・ロボットの力で、日本は経済大国となった。ただ、バブル崩壊後に混迷の時代に入り、日本は低迷する。同じ手法でサラリーマン・ロボットを育てて来た韓国、中国に追い抜かれたのである。技術で追いつかれた上に、人件費が安い国には敵わない。SoftBankの孫社長はいう

 「考える教育をしなければ、日本は金輪際、アジアで勝てない」

 まさに、その通りだ。言われたことしかできないサラリーマン・ロボットは言われたことしかできない。上の指示が間違っても、気付かずにそれを続ける。臨機横柄、自分で考えて行動することができない。こうして、日本は経済大国の座を追われ、没落の一途を辿っている。バブル崩壊後、絶対に安心と思われた銀行等の大手企業まで倒産。リストラも大量に行なわれた。今や企業は社員より自己保身のために、正社員を減らし、いつでも切れる契約社員を増やす。ブラック企業と呼ばれるところは、社員が自殺するまで働かせる。社員の生活安定より社の生き残りを優先としている。


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 いい大学を出て、いい会社に入れば安泰!

といわれた会社神話は崩壊した。にも関わらず、世の母親たちは今も子供たちを「暗記中心」の教育を受けさせ、その偏った世界の中でいい成績を取ることを望み、よりいい大学に合格させようとしている。もう、崩壊しているエリートコースの我が子を乗せようとしているのだ。

 なぜか? その母親たちこそ(僕らの世代だが)考える教育を受けずに、与えられることをするだけの教育で育てられたので、一度刷り込まれた「一流大学」=>「一流企業」のエリートコースを未だに信じているのだ。これって、サリン事件を起こして正体が分かったしまったオウム真理教を今も信じて、「麻原尊師は素晴らしい」という信者と大差ないように思える。

 もちろん、今でも一流大学を出て、一流会社に就職できれば、しばらくは大丈夫だ。大手企業に入ればそこそこ安定するだろう。でも、今年、大手電気メーカーであるシャープが台湾の会社に買収された。あのSONYでさえ厳しい経営をしている。今、世界でナンバーワンの電気メーカーはSONYでもPanasonicでもなく、韓国メーカーである。

 子供たちが大学を出て就職。

その5年後、10年後はもっと酷い状況になっているかもしれない。大手企業がさらなるリストラをして行くだろう。まして、二流大学を出て、入った二流企業はどうか? 危険がいっぱい。なのに、母親たちは子供たちに「暗記」中心の教育を未だに受けさせ、大学を目指すことを望んでいる。

 今、大切なのは大人なったときに、本当に役に立つ知識や技術ではないか? 自分の目と耳で現実を判断できる能力ではないか?なのに、考えることをあえてしない。与えられたことをするだけのサラリーマン・ロボットになる教育を母親たちは今も信じ続けている。

 戦時中と同じ構図だと思える。「進め一億、火の玉だ」当時のキャッチフレーズを思い出す。反対する者は「非国民」。もう、どうがんばっても勝てない戦いになっているのに、竹槍を配り。「本土決戦だ!」と叫ぶ。その敗戦間際の日本を見るようである。成績を上げることをいいことだと信じて、子供を受験戦争に送り込む親たち。「お国のために」と子供たちを戦争に送り込む戦時中の親と同じように思える....。



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 ここに日本人の特性が見えて来た。

皆がひとつの方向に向かうと、誰もがその方向に向かう。疑問を持たない。それどころか、疑問を持つ人を糾弾する。戦時中は「非国民」現代は「落ちこぼれ」。そして、国が推奨する以外のコースを選ぼうとすると....そう、「俳優になりたい。歌手になりたい。映画監督になりたい!」というと、多くの人が誰から言われた訳でもないのに、集まってきていう。

 「現実は甘くない」「無理に決まっている」「現実逃避をするな」

 そういって否定。相手が間違っていることを諭す。そして受験戦争に連れ戻そうとするのだ。これも戦時中と同じ。「こんな戦争は無意味だ」と云おうものなら近所の人たちが「非国民」と糾弾した。今も同じ。「何が子供たちにプラスか?」を考えるのではなく、政府の押す教育方針を信じ込んでいるだけ。

 今の教育では昔のような安定した人生はもう送れない。それはハッキリしている。にも関わらず、親たちは、子供を昔と同じ、無意味な教育を受けさせようとしている。でも、考える力を持たない親たちには、その努力が無意味だと今も気付いていない。

 ここで二点。確認できる。

①親たちもまた、考える力が育っていないので、良かれと信じて子供たちを崩壊した教育システムに委ねる

②日本人は一方に走り出すと、誰もが同じ方向に走り出す。
 その流れから出ようとすると、誰に言われなくても、粛正し、流れに連れ戻そうとする。

 
 この2つが日本が無意味な戦争を続け敗戦となった理由であり、「受験戦争」を加熱させた理由でもある。そう考えると、前回の疑問。「なぜ、夢を語ると否定する人が出てくるのか?」の理由も分かる。それも上記の2つなのである。

 そうなると、夢を語るときに、否定、説教するのは、「優しさ」というより、村社会を維持するためと思える。その否定、批判は誰かに指示されなくても行われる。個々が意識せずに「相手のため...」と思い込んで、夢を止めよう、国の方針に従わせようとする。気持ち悪い資質と思えて来る...。









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