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【「ウォーキング・デッド」シーズン5後半戦① 絶望的な現実を描き、見る者を放さない過酷なドラマだ】 [2015]

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【「ウォーキング・デッド」シーズン5後半戦① 絶望的な現実を描き、見る者を放さない過酷なドラマだ】

前半戦の舞台となると思われたターミナル駅。あっさりと第1話で結着が着いてしまい意外。でも、これは正解と思える。どーも、ターミナルの設定が以前に登場した「ガバナーの町」と似通っている。「そこに行けば平和な暮しが待っている......でも、実は...」というのが同じ。テレビシリーズはシーンズンを追うごとに、繰り返しが多くなり、面白さが激減することが多い。つまり、ネタがなくなってくるのである。

あれほど面白かった「HEROES」も第4シーズンはもう「何これ?」というレベル。「WD」もシーズン5を迎え、「ついにダウンか?」と思えたが、ターミナル編は1話で終わり? この展開では面白くならないと製作サイドが判断したのか? これはよい展開。舞台は「病院のある町」へ。それもシーズン5前半で完結して、後半戦はさらなる別の町へ舞台が移る。

ここからが昨日見た部分となる。全8話。8時間かけて一気に見てしまった。前回、病院で知り合った黒人青年の町へ行くところから物語はスタート。謎の人物と出会い、「壁のある町」に招かれることになる。そこは壁に囲まれた安全な場所で、電気もガスもあり、安全に暮らせるという。ん? 先に書いたように、それはすでに「ガバナーの町」でやり、「ターミナル」でもやりかけて、1話で終わらせている。

「また安全な町?」と思えた。「町の住人はいい人たちだと思わせて実は.....」このパターンは先の2編ですでに実践。3度目は駄目でしょう?と思っていたが、なかなか見せてくれる。そう、視聴者は「また同じパターンだろ?」と思っているのに、出て来る人がみんないい人なのだ。「え??? 本当にいい人なの? じゃあ、このままリックたちは、この町に住んじゃうの?」という今までにないサスペンスが盛り上がってくる。そして、町の住人に悪意はないんだけど...やがて悲しい展開が....そして、あの愛すべき人たちが無惨な死を遂げて行く...。

この先はこれから見る人たちのために内緒。だが、シーズン5後半戦もいろいろと感じるところがあった。最初、このシリーズを見始めたとき、これは日本の物語だと思えた。というのも、ゾンビたちに追われて逃げる主人公たち。どこに行ってもゾンビの群れ。その中で家族を守りながら戦う。でも、敵はゾンビだけでなく、人間の嫉妬、欲望、横暴、権力欲、そんなものが結局、登場人物たちを苦しめていく。これは放射能に追われて逃げる日本人の話だと思えたのだ。

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放射能に汚染された町を離れ、安全な町に移住するのだが、そこにもまた原発が立ち並ぶ。そして、事故が起きた場所でなくても、風で飛ばされて来た放射能に汚染されている町も数多くある。どこに行っても安全な町はない。そして、欲にかられた人たちが情報を隠蔽、人を踏みつけにして生き残ろうとする。同じだ。

さらに「WD」がこれまでのドラマと違うところがある。従来のドラマはレギュラーメンバーは絶対に死なない。「スタートレック」ではカーク船長やスポック。Dr.マッコイは必ず生き残る。そして、子供も絶対に死なない。それがアメリカのテレビドラマだ。なのに「WD」は容赦なし。レギュラーでも、子供でもガンガン殺されて行く。「え?なんで、あの子が...」というエピソードが何度もある。これも日本の現実と同じ。放射能は子供だって容赦しないで襲って来る。いや、むしろ、子供の被害が大きい。福島でも今、多くの子供が甲状腺がんになっている。

そんな日本の現実が「WD」にダブり、主人公リックの息子の存在が僕の良く知る子を思い起こさせる。放射能汚染で別の町に移住した男の子。だから、毎回、涙なしで見れない。でも、現代のドラマ、いや、映画もそうだけど、現実逃避の夢物語ではいけない。ドラマを見ることで、現実を考えさせることが必要。それほど今、時代は混迷しており、ドラマの世界を見つめることで、自分はどうするべきか?を考えることが大事だと思う。

日本のテレビドラマが軒並み低視聴率なのは、その辺に気づかず、相変わらず、浮世離れしたトレンディドラマ風や恋愛物語を描いているせいではないか? 先シーズンに見ていた2つのドラマはまさにそれ。まるで1990年代前半に、バブル景気がいつまでも続くことを信じて疑わなかった日本人が夢や憧れを追いかけていたような物語。そこに危機感や時代の暗さはまるで描かれておらず、視聴率が1%台まで落ちたのは当然だと思える。

そんな中、「WD」のシーズン5後半戦を見て、また新たなことを感じたのだが、長くなったので、次回に書かせてもらう。

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