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【フランス同時多発テロで一番、得をしたのは誰か? イスラム国は悪役レスラーのタイガー・ジェット・シン?】 [イスラム国]

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【フランス同時多発テロで一番、得をしたのは誰か? 
 イスラム国は悪役レスラーのタイガー・ジェット・シン?】

脚本家というのは物語を考える仕事。実際の事件を見ていても、あれこれ考えてしまう。裏があるのではないか? 背景はこうではないか?とか。僕ももともとは脚本家。いろいろ考える。イスラム国によるフランス同時多発テロ。それに対するフランス、アメリカ、日本の対応を見ていると、イスラム国により多くの空爆をさせ、より戦闘を激化させる結果となっている。

イスラム国にとってはマイナスだ。それを彼らは最初から想像しなかったのか? いや、彼らは非情に狡猾であり、イメージ戦略もうまく、単なる無法者のテロ集団ではない。これまでの経緯を見れば、それを想像しない訳はない。ではなぜ? それとなぜ、今回、エッフェル塔や凱旋門。ルーブル美術館を狙わなかったのだろう? 

今回の事件。何だか、フランスやアメリカによりテロ殲滅の口実を与えただけに思える。無実の市民を大量虐殺することは、誰が見ても許されない。「そんな奴らは許すな! どんどん空爆しろ! 地上戦も行って根絶やしにしろ」そんな声も大きくなっている。

さらには「次はワシントンでテロを起こす」とイスラム国は宣言。アメリカも黙ってられない。日本も応援を表明。フランスは空爆に対する支持が大きくなり続行を宣言。ロシアも怒りをあらわにした。あれ? こんなこと前にもあったよね? 古くは日本による真珠湾奇襲。あれでアメリカの世論は変わり、第二次大戦に参加した。ベトナム戦争はトンキン湾事件で、アメリカの潜水艦が撃沈された。といわれて本格参戦。でも、それは事実ではなかった。

イラクがクエートに侵攻したときは、イラク兵が病院で赤ん坊を虐殺したと国連でスピーチした女性がいた。そこからアメリカはイラクを叩いたが、その事実もなかったことがあとで分かる。事実だろうが、事実でなかろうが、いずれも「それは酷い! 許せない」と世論が沸き立つことだ。誰もが参戦を支持する環境が出来上がること。その意味でいうと、イスラム国は見事なくらいに、それらと同じ役割を果たしているように思える。

昔、タイガー・ジェット・シンという悪役プロレスラーがいた。サーベルを持ってリングに現れるが、決して相手レスラーを突き刺したりしない。柄で殴るくらい。反則をして観客からの憎悪を募る。そして、最後は人気レスラーに倒される。観客は大喜び。何か、そんなことを思い起こさせる事件でもある。ミステリー小説と同じ。一番得をするのは誰か? そう考えると答えが出る。


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