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さよなら、ブルース君。「朝日のあたる家」に出演したワンコが急死。 [キャスト]

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「朝日のあたる家」の物語を一言で表現するとすると、原発事故を背景にした中学生の少女・舞(橋本わかな)と犬のブルースの友情物語と言える。

福島でもそうだったように、数日間の避難と言われて、ペットを紐で繋いだまま避難所へ。でも、何ヶ月も帰れずに、愛する犬や猫たちを心配する。同様に取り残された仲良しの犬ブルースを心配する舞は、一時帰宅のときに、ブルースを探すが、すでに姿はなく、舞は街をさまよう。というストーリーである。

そして、そのブルースこそが、この映画の希望を象徴する存在となり、物語は終わる。ロケ地湖西市で完成披露上映会が行われたときは、ブルースのシーンでどよめきがおこた。それほどまでに、彼は愛され、希望を観客に送った。

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そのブルース。物語の中では舞が「ブルース・スプリングスティーンに似ている」という理由で名前を付ける。が、実は全く似てない。そんなブルース役は撮影の1年前からオーディション。といっても携帯会社のCMに出るような有名プロダクション所属ではなく、地元湖西市で探してまわった。ドーベルマンやアフガンハウンドのような立派な犬ではなく、どことなく頼りなく、駄目そうな、それでいて愛されるキャラを持つ犬を探した。

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地元応援団の方の紹介でNLファームという犬をたくさん飼っている団体で彼を見つけた。本名はノッペ。当時はまだ生後数ヶ月。夏の暑さに参り、木陰でヘーヘーしていたのが印象的。一目ですぐ決めた。係の方は「本当にこの子でいいんですか? 他にもっと優秀な子がたくさんいるんですけど」というほど、でも、そこが駄目な中学生・舞と共通するものがあり、出演依頼をした。

でも、撮影中は大変。飼育係の人が来てくれたんだけど、なかなか言うことを聞かず、撮影は難航。歩くシーンで全力で走るし、呼んだ方向に来ない。だが、ブルースの愛らしさは画面に炸裂。舞台挨拶で俳優さんと共に登壇したときは、一番人気!「ブルース、ブルース[ハート]?」と観客から声援。俳優たちがかすんだほどだ。
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そんなブルース。完成披露上映会終了後に一度、LNファームを訪ね。再会した。僕のことを覚えているのか?いないのか? シッポを振って走って来たと思ったら、すぐに離れて道ばたの草を食べ始める。映画を見た人たちは一度、LNファームに行き、ブルースに会いたい!と言っていた。

そのブルースがこの夏、死んだことを地元の方から聞かされた。病気で死んだそうだ。生まれたのが一昨年の夏。2年の命だった.........映画出演後、成長して、ブルドッグらしい貫禄が出て来たとも聞いていたので、再会を楽しみにしていたのに.......。

そして、原発事故を生き抜いた犬として、ブルース役を演じたノッペが死んでしまったこと。物語の希望であった存在が、もうこの世にいないこと。胸に何かが突き刺さる。23日に行われる新宿シネマートでの上映はブルースの追悼上映になってしまった。何だか寂しい。

でも、スクリーンの中では今もブルースは元気に生きている。その姿ぜひ、新宿でご覧頂きたい。ブルースの笑顔(?)は多くの人を励ますはずだ。

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