朝日のあたる家ーさらに広げるには、次回作は原発ものでは駄目? [【再掲載】]
朝日のあたる家ー劇場公開
いよいよ、大分でファイナルを迎える。昨年9月からスタートして約8ヶ月に及ぶロングラン。全国25館で公開。多くの人に観てもらうことができた。
だが、これで終了という訳ではない。まだまだ、福島の悲劇を知らない人、原発事故の現実をご存知ない方がいる。そんな人たちに1人で多く、”朝日”を観てもらうことで、もう一度福島のこと。子供たちの将来を考えるきっかけにしてもらうのが、この映画の意味だ。この先も上映を続けて行きたい。
とはいえ、映画館公開は終了する。
次のステップは自主上映なのだが、それはさて置いて、その次はDVD。テレビ放送というのが通常の映画の展開。でも、”朝日”はDVDメーカーはどこも発売拒否だし、テレビに至ってはどこも放送はできない。映画館でも上映拒否するほどの作品。テレビで出来るはずがない。そうすると自主上映でがんばるしかないのだが、いろいろと考えていることがある。上映を終えた映画の知名度を上げる方法。何があるか?
アンコール上映?
それにはまた宣伝費がかかるし、各地で観たい人はかなり観てしまっているので、もう大量動員は期待できない。
海外の映画祭で受賞?
これは有りだし、やっていくつもり。だが、簡単なことではない。そのためのスタッフを雇い。手続きをして、費用もかかる。そして、よほど大きな映画祭でグランプリでも受賞しなくては、日本のマスコミは報道しない。
続編を撮る?
これはすでに何回か書いたが、映画の続編を観るのは前作を観た40%くらい。前作を観た人が中心になり、広がることはない。
別の原発事故の映画を撮る?
これもむずかしい。”朝日”はかなりタイムリーな映画だった。原発事故をストレートに描いたこれまでにない映画であったことで、マスコミも注目。出演者である山本太郎さんが参議院に当選したり。上映拒否事件があったことで話題になったことで、25館公開にまで広がった。その再現を次回作で期待するのはむずかしい。
だったら、もう方法はないでしょう?
と言われそうだが、ひとつだけある。これはちょっと想像できないと思う。業界の人なら知っているが、それを狙うとは考えないだろう。そして反発を感じる人も結構出るはず。そんな最後の手段とは?
次回作に原発が題材でない映画を監督し、それを大ヒットさせること。
そうすれば、前作の”朝日のあたる家”も注目される。思い出すのは”世界の中心で愛を叫ぶ”が大ヒットしたあと。同じ行定勲監督の過去の作品”贅沢な骨”が注目され、ビデオソフトのバックオーダーが殺到。公開後にビデオ化されたときの3倍もの数が出荷され、ビデオ界で大ヒット。”世ちゅー”を観た観客がかなりレンタルした。
それを”朝日”に当てはめると、DVD化の依頼が来て、レンタル店にズラーと並ぶ。或いは、映画館でリバイバル上映される。という展開が期待できる。それも原発に関心のない一般の映画ファンが中心となり、”朝日”を観る。簡単ではないが、可能性はある。同時に、以前にも書いたが、
”原発映画を撮ると、二度と商業映画が撮れなくなる”
というタブーを破ることにもなる。原発映画を撮った監督でも、平気で商業映画に戻って来られる。その事実は多くの若い映画監督たちを励ます。僕が原発の映画を何本も作るより、より多くの原発を扱った映画が製作されるはずだ。
これがもし、次回作の題材に原発事故を再び選ぶと、若い監督たちはこう思うだろう。”やっぱり、商業映画が撮れなくなり、原発ものしかできないんだ...。やはり、原発なんて映画にしてはいけない...." そう思われないうにするためにも、次回作は原発関係ではなく、一般の商業映画を撮らねばならない。青春ものやラブストーリーにするべきなのだ。
てなことを書くと、自主上映を拒否して、劇場公開にこだわったとき以上に反論が来るかもしれないが、それしか方法はないだろう。ま、そんな映画を撮るチャンスがあるか?どうかは別にして、それを実現できれば結果として”朝日”をさらに多くの人に観てもらうことができる。若い監督、いやベテランたちも原発を題材として映画を作りやすくなるのだ。そんな唯一の方法。何とか実現したい。
2014-03-20 10:20
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