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「朝日のあたる家ーはシュミレーション映画だ」という支配人(5ー終) [作品紹介]

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 だからこそ、原発事故に自分自身が巻き込まれた気持ちになり

 痛みや苦しみを感じる。

 他人事にならず、自分のこととして体験できる。

 シュミレーションドラマや再現ドラマでは絶対に伝えられないもの

 伝えられる。

 が、こんなスタイルの映画はあまりない。

 映画に詳しい人ほど、その辺で戸惑う。

 カテゴリー分けができない。

 だから、無理矢理、テレビ番組のジャンルである

 「シュミレーションドラマ」とか「再現ドラマ」という解釈をする。

 しかし、そのことで本質を見失うのだ。

 「朝日の」を作る上での目標はこれ。

 ① 福島で何が起こったか? をリアリティを持って描くこと

 ② 観客が他人事ではなく、福島の人たちと同じ痛みや苦しみを感じること

 この2つが重要だった。

 ①だけなら再現ドラマで描くことができる。が、先にも書いたように

 観た人が他人事となる可能性が高い。

 だから②が重要。

 そのためには、舞台を福島にせず。別の町に移す。

 しかし、近未来の物語にはせず。福島と同じ展開をあえて描いた。

 それによって、②を体感することができるのである。

 先の支配人さんにもそう説明した。ら、

 後日、彼のブログにこう書かれていた。

 「これは近未来のシュミレーション映画だというと、

 『違います。別の町で福島の現実を描いた今の物語です』

 といわれたが、未来を描かずして、メッセージを伝えることはできない。

 それに気づかない。監督の将来性に不安を感じずにはいられない」

 ........結局、分かっていないようだ。

 未来を描くこと=メッセージではない。

 過去を見つめること。福島の原発事故を見つめることこそが第一歩

 近未来に起こるであろう第二の原発を事故(彼はそれが「朝日」と思っているが)

 それを描くことにはあまり意味はない。

 まず、福島の悲劇を見つめ、知り、理解すること。

 そこが全てのスタート地点なのである。

 「朝日のあたる家」の意図はそこにあるのだ。

 (了)

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