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何もしないでいると、この無知の底無し沼に足をとられてしまう [シナリオ感想]

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 「朝日のあたる家」シナリオを読んだ方から

 感想文が届いた。胸に突き刺さる文章だった。

 ご紹介する。

 ***********************

 浜岡原発…、私には苦い思い出があります。

 私の父は電力会社の技術職でした。

 学生の頃、家族旅行の途中で浜岡原発に寄り、資料を展示している館を見学しました。

 私の幼い頃は、父は台風や雷がなると、真夜中でも会社に行き、

 停電の対応に追われる日々を過ごしてきました。

 その頃は原発などなく、安定した電力供給を、父ながらに夢みていたのでしょう。

 浜岡原発の詳しい仕組みや働きを説明する展示物を見ながら、

 父は、誇らしげに目を輝かせていました。

 そんな父を、私は複雑な心境で見つめていました。

 なぜかと言うと、当時私は、友達に誘われ、

 原発の出す放射能がいかに危険であるかを警告する活動をしていたから、です。

 ムラサキツユクサという野草は、原発の近くに生えるものを観察すると、

 その雄しべに異常に突然変異が増える、という現象が注目されていました。

 この雄しべは、細胞が顕微鏡で観察しやすいので、突然変異があるとすぐわかる、

 という特性がありました。

 原発の放射能が、細胞に突然変異を起こす…、

 そんな危険性を、私は友達と発信していたのです。

 ビキニ環礁で被爆した久保山愛吉さんを救おうというデモ行進もしました。

 そんな私は、まるで反対の立場の父に、

 どうしても自分のしていることを言うことができませんでした。

 父の苦労してきた道と未来へかける思いに、青臭い学生ごときの私に何が言えたでしょう。

 何も言えないどころか、

 私は、結局、原発反対運動を止めてしまったのです。

 父の、原発にかける思いと、まさか本当に放射能が我々に牙をむくなんて…、

 という楽観に、私は負けてしまったのです。

 あの時、もっと真剣に父と向き合い、原発の危険性をちゃんと訴えていれば…、

 臭いものに蓋をするように、見たくないものは見ようとせず、

 小さな植物がその身で発信してくれていた警告に、目をふせてしまったのです。

 「朝日のあたる家」、この物語を読んで、私は、

 住民に本当のことを知らせなかった日本政府が、私自身と重なって、

 苦しくなってしまいました。

 この物語には3つの無知が存在します。

 1つは、中学生の舞ちゃんの無邪気な無知…、

 2つめは、お父さんの、自分たちの置かれている状況を知ろうとしない無知…、

 3つめは、日本政府の、住民に真実を知らせようとしない暴力的ともいえる無知…。

 私たちは、何もしないでいると、

 この無知の底無し沼に足をとられてしまうのかもしれません。

 美しい自然、家族の団欒、子供たちの明るい未来…、

 そんなささやかな、普通の日常は、大人たちが全員で、全力で守らないと、

 一瞬にして崩れ去る幻、なのかもしれません。

 シンプルだけど、深いメッセージの込められた「朝日のあたる家」、

 この物語が1人でも多くの人に見てもらえて、

 心の目を覚まして欲しい…、

 そう、切実に思いました。


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